コラム

 公開日: 2015-08-05 

相続財産は誰でも受け取れるのか?

今回のコラムのテーマは「相続人」についてです。

この相続人ですが、いったいどこまでの親族を指すのか、そして相続財産をもらえる優先順位はあるのか、など意外と知られていないことが多いです。

遠い親戚でも財産をもらう権利があるのか?親戚といってもどこまでをいうのか?などなど、実際に相続が発生した場合、相続人のルールがなければ相続人がどんどん増えてしまいますよね。そこで、ここから相続人についてのルールを説明していきます。

人が亡くなった場合、その人が持っていた財産は相続人に引き継がれます。法律では、亡くなった人のことを「被相続人」と呼び、財産を引き継ぐ権利のある人を「相続人」と呼びます。民法では相続できる人の範囲を定めています。それを「法定相続人」と言います。

遺産を相続しようとするとき、必ず条件が必要になります。このときの条件を満たさなければ、遺産相続の権利すら得ることができません。

【遺産相続の条件】
被相続人が亡くなった時点で生存している配偶者がいれば、どんな時でも相続人になります。事実上、離婚状態で別居をしていても、戸籍上配偶者であれば相続人になります。しかし、籍を入れてない内縁関係にある人は相続人にはなりません。

また、親族が複数名いる場合は財産を引き継ぐ優先順位が下記のように民法で定められています。
[第1順位] 子(孫)
[第2順位] 父母(祖父祖母)
[第3順位] 兄弟姉妹(甥姪)
注)被相続人から見ての親族です

まず、第1順位の子が法定相続人になり、子が既に死亡している場合はその子(孫)が代わりに相続人になります。この、「子もしくは孫」のことを直系卑属といいます。

直系卑属とは、子・孫など【自分より後の世代】で、【直線的に連なっている系統】の親族のことです。また、直系卑属には養子は含まれますが、兄弟・姉妹、甥・姪、子の配偶者は含まれません。

第2順位である父母は、第1順位の子や孫がいなかったり、相続を放棄したりした場合に初めて相続人になります。この相続人を直系尊属といいます。

直系尊属は、父母・祖父母など【自分より前の世代】で、【直線的に連なっている系統】の親族のことです。また、直系尊属には養父母は含まれますが、叔父・叔母、配偶者の父母・祖父母は含まれません。父母が既に死亡している場合は、祖父祖母が相続人になります。

第3順位である兄弟姉妹は、子や孫、父母などがいない場合、またはそれらの全ての人が相続を放棄した場合に初めて相続人になります。

このように、相続ができる人の優先順位は決められています。しかし、本来相続人になるべき人が被相続人よりも早く亡くなった場合があります。このときは、「相続人になるべきであった人の子」が代わりとして相続人になります。これを、「代襲相続」といいます。相続が発生する場合には誰に相続をさせるかをルールに従って決めなければいけません。そのため、相続では戸籍の確認も必要となります。

しかし、相続人の範囲と優先順位だけでは分からない場合があります。例えば以下のような例があります。

【養子は相続人になるのか?】
養子縁組をしていれば、養子も実子と同じように相続人になります。再婚しても、連れ子は相続人にはなりませんが、養子縁組をすれば親子関係が生じ、相続人になります。ただし、特別養子縁組をしている場合は、養親だけを相続できることになっています。また、本当に養子なのかどうかは、亡くなった人とその相続人の戸籍謄本等を、確認してみて初めて分かることなのです。

【非摘出子(正式婚姻関係のない男女間に生まれた子)は相続人になるのか?】
非摘出子も父親が認知して正式な手続きがされていれば、実子、養子と同じように相続人になります。

【胎児に相続権はあるのか?】
妊婦の夫が亡くなった場合には、妊婦のお腹の胎児にも相続権があります。実際の相続行使は誕生後になります。もし、死んで産まれた場合には相続権は発生しません。

【前妻または前夫は相続人になるのか?】
相続人にはなりません。亡くなった時点での配偶者のみが、相続人となります。

【前妻または前夫との子は相続人になるのか?】
亡くなった方の実の子は相続人になります。ただし、前妻または前夫の連れ子は相続人にはなりません。ただし、連れ子であっても、亡くなった方と養子縁組をしていると相続人となります。

また、養子縁組をしているかどうかは、亡くなった人とその相続人の戸籍謄本などを、確認してみて、初めて分かることなのです。

【相続人に行方不明者(音信不通者)がいる場合は?】
相続人には変わりありませんので、行方不明だからといって、相続人からはずすことはできません。もし、行方不明者をはずして遺産分割をしても法的に無効となります。

その行方不明者が後から相続権を主張してくると、相続のすべてがやり直しとなってしまいます。このような行方不明者の生死や現住所を把握する方法としては、亡くなった方の戸籍謄本などから、行方不明者の戸籍謄本類と戸籍の附票を取得することで知ることができます。

以上、遺産を相続できる人について、だいたい把握できましたでしょうか? 

相続人の間違いや勘違いの心配をなくすためには、「亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本等」と「その相続人の戸籍謄本等」を取り寄せ、正確な相続人の把握をする必要があります。

これらのルールをしっかり理解し、相続が起きた時に相続財産をもらう権利について争うことがないようにしたいですね。

この記事を書いたプロ

税理士法人パートナーズ山陰支社 [ホームページ]

税理士 川原康寛

鳥取県米子市加茂町2丁目204番地 米子商工会議所会館2階 [地図]
TEL:0859-21-5169

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
税理士法人パートナーズ・川原康寛

中小企業の活性化を通して地域社会に貢献したい(1/3)

 「人のつながりが大切だ、とあらためて思います」―鳥取県米子市に税理士法人パートナーズ山陰支社を開設して1年。米子は出身地とはいえ、実績ゼロからのスタートでした。会合で知り合った人たちなどの紹介でコツコツと中小企業などの税の相談に対応。徐々...

川原康寛プロに相談してみよう!

山陰中央新報社 マイベストプロ

利益の出る会社づくりを実現します

会社名 : 税理士法人パートナーズ山陰支社
住所 : 鳥取県米子市加茂町2丁目204番地 米子商工会議所会館2階 [地図]
TEL : 0859-21-5169

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

0859-21-5169

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

川原康寛(かわはらやすひろ)

税理士法人パートナーズ山陰支社

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
【相続税とはどんな税金?】

相続税ってどんな税金なのかご存知ですか?最近、「相続税が~」や「いままでかかっていなかった人がこれから...

[ 相続・贈与 ]

贈与税の納め方

贈与税の納め方 1.贈与税の申告と納税 贈与税の納税は贈与税の申告期限までに金銭で一時に、国に納める必...

[ 相続・贈与 ]

遺言で可能な行為:認められること、できないこと

民法により、遺言で認められる事項は決められています。以下に、その内容を記していきます。  財産処分...

[ 相続・贈与 ]

相続人に認知症の人がいる場合の相続

相続のご相談のなかには「認知症の人は相続人になれますか?」というものがたまにあります。今回はその場合につ...

[ 相続・贈与 ]

相続人に未成年者がいる場合

相続人に未成年者がいる場合について、ご説明します。 遺産分割協議をするにあたり、相続人の中に未成年者がい...

[ 相続・贈与 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ