コラム
2012-02-10
虫太郎の伝言版 ⑬
虫の文化史(虫偏の虫)⑬
―人と虫が奏でる文化―
薬になる?虫①
「民間療法の歴史」
「薬になると考えられてきた虫」について。
民間療法の中にはかなり怪しいものもあります。
また逆に、あとになって科学的に裏付けられるものも少なくありません。
「真田虫」
「真田虫」はお腹の寄生虫です。
江戸時代には「真田虫の駆除には真田虫の黒焼きが効く」という説がありました。
昔の中国の、「毒を以て毒を制す」という薬学思想が伺えます。
しかし、怪しいところです。
「ミミズ」
江戸時代に、ミミズは別名「地竜」(ちりゅう)、つまり、地面の竜と言われ、解熱剤として利用されました。これは、ミミズを乾かしたもので、スープにして飲んだようです。
松尾芭蕉も、「ミミズ湯に過ぎたるはなし」と書き残しています。
松尾芭蕉の証言なら、効きそうです。
「コガネ虫」
中国の話ですが、幼虫の汁は目薬に、潰したものは塗ると外傷が癒えるとされます。
最近、コガネ虫のフェロモンに強い抗菌活性があることがわかってきました。
雑菌の多い場所で育つ虫には、殺菌物質を持つものが多いのです。
コガネ虫の汁が眼病や外傷に効くのは、案外当たりかも知れません。
ただし、汁を絞る前に、コガネムシの体は洗った方が良さそうです。
「カミキリ虫」
カミキリ虫の中でも、柳の木に食い入る、「ゴマダラカミキリ」です。
江戸時代には、子供の‘癇(かん)の虫’の薬とされて、行商人もいました。
焙(あぶ)って、食べさせたそうです。
癇の虫というのは、子供の神経過敏で、夜に寝付かなかったり、激しく泣いたりする症状です。
子供の夜泣きには、「冬虫夏草」も有名です。これは、(冬は虫、夏は草)という意味で、実は土の中の昆虫に寄生したキノコ、つまり‘ムシの死骸付きキノコ’のことです。
希少価値が高いので、中国では、今でも高価な漢方薬として流通しています。
(虫に生えた「キノコ」)
つづく
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