コラム

 公開日: 2011-02-24 

人と虫との関わり学(1)


人文虫学(私的分類学)
―人と虫との関わり学(1)―

日本文学と虫

 古来、日本の文学では、情景の描写に花鳥風月と並んで「虫」が登場したものです。
紫式部、清少納言、志賀直哉の作品にも日常風景の描写に「虫」が織り込まれています。
しかし、現代に近づくほど、情景は風景へと変わり、構造物へと視点が変わります。
現代の私たちは、人間が創り出した物に心を奪われ過ぎているのかも知れません。


虫を愛した人たち

 虫好きの人は自分を「虫屋」と呼ぶようです。
虫屋としては、手塚治虫(漫画家)、北杜夫(作家)、養老孟司(医師)、奥本大三郎(仏文学者)などが
知られていますが、その虫好きは半端ではなく、手塚さんは「オサムシ」をペンネームにしたほどです。
虫屋の虫好きは、「理由がない」という点で共通です。


小泉八雲と虫

 小泉八雲(ハーン) は、「怪談」や「耳なし芳一」で知られる、明治の帰化外国人です。
彼の虫好きは徹底していて、著作が多いことはもちろん、松江の自宅の庭にムシを放して、鳴き音を楽しみました。
東大の講義では、「本当に虫を愛する人種は日本人と古代ギリシャ人だけ」と述べています。
ちなみに、著書「KUWAIDAN」(怪談)のつづりが変なのは、奥さんの出雲訛り「クワイダン」によるものです。


「ゼフィルス」 手塚治虫

 手塚治虫の作品に、少年時代の思い出を綴った「ゼルフィス」(シジミ蝶)という作品があります。
終りの一節です。
「空襲の炎が夜空を焦がした。
一夜明けて山に登った僕の目に、無残に焦げたあのウラジロのいた森の跡が見えた…。
僕は大声を上げて泣いた。
あれから30数年、僕の村は変わった。
今はモダンな住宅が立ち並び、戦争の悲惨さは残っていない。
だがあの緑豊かなウラジロの森もすっかり消えてしまった。」

皆さん。虫や自然とのかかわりを見直して見ませんか?

 コダマサイエンス/小幡 大介

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