コラム

 公開日: 2016-09-18 

★141コーヒーマイスターの知っておきたい珈琲雑学9/18『東京珈琲四天王とは②』

★『東京珈琲四天王』のお一人、標交紀氏
珈琲雑学1401
■言わずと知れた名店‘吉祥寺 もか’。
オーナーの標交紀氏は、コーヒー研究家であり、コーヒー器具の収集家でもありました。
「コーヒーの味は豆でほぼ決まってしまう。良い豆さえ使えば、誰でも美味しいコーヒーが楽しめる。」一人でも多くの人にコーヒーを楽しんでもらいたいというオーナー標氏の言葉に、選び抜かれたストレートコーヒーと、完成の域に達したブレンドコーヒー数種には、その言葉を立証させる力さえ感じたそうです。
珈琲雑学1412
■多くのお弟子さんを育てた標氏
師匠が亡くなられた今、多くのお弟子さんが当時の師弟関係にあった思いを文章に残していらっしゃいます。そんな中で、門脇さんの師匠を偲ぶ文章をご紹介しましょう。
山形県鶴岡市の「咖啡専門店 コフィア」のマスター、門脇祐希さん。
木綿の袋でコーヒーを淹れるネルドリップという手法の、文字どおりの「マスター」です。
東京で過ごした学生時代、コーヒーに興味を持って自家焙煎の看板を掲げる店を見つけては入ってみて、そのたびに「裏切られた」と感じていた門脇さんが、やっとたどり着いた店が吉祥寺の「もか」でした。
店主の標交紀さんは「コーヒーの神様」ともいわれた名マスターです。門脇さんは卒業後、「もか」のスタッフとして働き始めます。
そして平成19年(2007年)に標さんが他界するまで、師匠を慕う一人の弟子として行動をともにしました。
今、吉祥寺に門脇さんが足を運ぶことはほとんどありません。「もか」がないことが「つらすぎる」からです。
「もか」と標さんの存在は、職人・門脇さんのほとんどすべてでした。
珈琲雑学1411
「私は覚えが悪く、失敗が多く怒られてばかり。にもかかわらず、マスターはよく目をかけてくれましたが、あとで聞いたところでは『門脇君は何でも言いやすいタイプだから』だそうですが(笑)、ただ一生懸命やってた姿は伝わっていたのかなと思います。
私が入って間もない頃、定休日に店の中でマスターと私が話をしていると入り口に人影が現れました。
するとマスターは『今日は休みですから』。誰だろうと思って見ると、相手はコーヒー界の重要人物の一人でした。びっくりして『いいんですか』とマスターに聞いたら、『今日はキミと話す約束だ。彼とは約束をしていない』」
「私はマスターに理想の父親を見ていたのかもしれません。結局は人柄なんですよ。
仕事の上での師匠と弟子の関係も、師匠の人となりがわからないと成り立ちません。
たとえば二人連れのお客さんが別々のものを頼んで、マスターと私がそれぞれを作るようなとき、同じタイミングで出来上がらないといけません。
だから私はマスターの動きを見るわけです。マスターが『もうちょっと炎を弱く』と言ったとしても、それは曖昧な言葉ですよね。
その『ちょっと』のニュアンスを察知するのは、師匠のことが多少でもわかって初めてできることです」
■「もか」でのそうした日々が、達人・門脇さんを育てました。
「師弟関係が人間関係であるということは、自分が焙煎するようになって初めてわかりました。使うのはローテクの権化のような旧い焙煎機ですから、本当に感覚の世界。『マスターならここでこうするだろう』と理解できなかったら、真似ができません」
門脇さんによると、ネルドリップもさることながら、コーヒーで本当に重要なのは焙煎なのだそうです。マスターが「もか」でネルドリップを採用していたのは、それがベストの方法だと早い時期に気づいていたからですが、焙煎に関しては「さしものマスターも七転八倒したはず」と門脇さんは言います。
「私のコーヒーはすべてマスターの受け売り。細かい点では差は当然あると思いますが、『今、目の前にあるカップにベストなコーヒーの液体を収める』ということにおいては、マスターも私も同じです。
実は、瞬時に何杯も同時に淹れられないネルドリップは営業向けではないかも知れません。それでも何がベストかに気づいてしまった以上、他の方法でやるわけにはいきません。コーヒー屋として使命感を持って旗を振っていくのであれば、ベストを求めなければいけないと思うんですよ」

門脇祐希(かどわき・ゆうき)さん
山形県庄内出身。東京都内の大学を卒業後、東京吉祥寺の名店「もか」で11年間修行。故郷に戻って以降、鶴岡駅前近くで珈琲専門店「コフィア」を経営する。この道、34年。

いかがでしたか? 私がこの業界に入る前に、標さんは亡くなられ、『もか』は無かったので、お会いできなくてとても残念です。
門脇さんのコフィアにもお伺いしてみたいですね。
ではまた

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池田修

鳥取県鳥取市布勢339―3 [地図]
TEL:090-2639-8881

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