コラム

 公開日: 2012-08-24 

「いじめ」に対する私の考え

 大津市のいじめ事件以降、こころの宝石箱にも毎日10件前後のいじめに関する質問が寄せられています。「自殺」という命に関わる問題であるから、ものすごく緊張した対応となります。

 ここで、カウンセリングの経験を通して「いじめ」とは何かを考えてみたいと思います。私は昭和36年生まれです。私たちの子供のころは、必ず「ガキ大将」という存在がいました。ガキ大将は、道沿いにある庭や畑にある柿・イチジク・桃・トマト・キュウリなどを取ってきて、子分(下級生)に分け与えてくれていました。いい悪いではなく、それがガキ大将のステータスであったと思います。
 一方で、クラスには「いじめっ子」という存在も必ずいました。いじめとは、肉体的・精神的にも強い者が弱い者に対していじめる行為です。いじめの内容としては、昼休み時間だけ一人の生徒をのけ者にする、本人が嫌がるあだ名を付ける、ノートに落書きをする などで、教室内での出来事であるため教師も把握できていたものです。

 しかし現代のいじめは、
  ①いじめの期間が長い
  ②大ケガや死に至る暴力を振るう
  ③金品を要求する
  ④万引き・窃盗・売春を強要する
  ⑤教師もいじめに参加している場合がある
  ⑥子どもたちは、「警察はいじめ程度では動かない」ことを知っている
  ⑦教育委員会は、「いじめはゼロ」というのが基本的な考え方が根底にある
 などが絡み合っているのが特徴であると考えられます。

 以上のことから、「いじめ」と「犯罪」は違うことを理解してもらえると思います。私が小学生だった40年前にも確かにいじめはありました。しかし、現在は犯罪もいじめの範囲に含まれてしまっているのが問題だと思います。大ケガや死に至る暴力、金品の要求は「いじめ」ではなく「犯罪」ではないでしょうか。

 学校とは、子どもが安全に学習できる場所のはずです。この『安全に』ということが保障できなければ、警察の介入が必要になると考えます。このような意見を述べると、「学校に警察が介入するべきではない。学校が努力すべきだ」という考えの方も多くおられると思います。しかし・・・・・

 いじめ事件を振り返ってみましょう。(私が知っている範囲で)
第一次いじめ時期
1985年  岩手県で自宅においてガス自殺

1986年  東京都 鹿川裕史君(中2)がJRのトイレで首吊り自殺
     クラスメートによる「葬式ごっこ」という嫌がらせを受けていた。担任をはじめ4人の教     師が黙認していた。

第二次いじめ時期
1994年  愛媛県の大河清輝君(中2)が自宅の庭木で首吊り自殺。
     総額114万円を脅し取られていた

第三次いじめ時期
2005年  北海道の小6の女児が教室内で自殺。
     少女の遺書には「いじめ」を指摘する内容があったが、教育委員会は遺書の受け取りを拒     否する。

2006年  福岡県の中2男子が自宅の物置で自殺。
     担任の教師もいじめに加わっていた。

2006年  愛媛県中1男子が自宅近くの電柱で首吊り自殺。
     長年にわたって、言葉の暴力を受けていた。

 『いじめ』ではなく『事件』としてみるべきではないでしょうか。大事なことは、「いじめ」を事件として取り扱わないで警察の介入がなかったから、尊い子どもの命が奪われていったのではないかということです。大津市の事件でも、教育委員会や警察が保護者の申し入れを拒否したことが明らかになっています。

 ここでもう一度、自殺した子どもの保護者がメディアに言ったメッセージを思い出してください。「このような悲しい事件が二度と起こらないようにしてください」という内容を語っておられたのではないでしょうか。この言葉を誰もが本気で受け止めていれば、「いじめ」と「犯罪」の区別はつくであろうし、「犯罪」であれば学校ではなく警察が担当するべきではないでしょうか。

 「学校の立場」ではなく、大事な子どもの命を守るために何をしなければならないかを基本に考えるべきではないでしょうか。

 今回のいじめ事件が教えてくれたことは、1985年ごろのいじめ事件から25年経っても、いじめを巡る社会環境は一向に改善していないことだといえます。

この記事を書いたプロ

フリースクール・カウンセリングルーム こころの宝石箱 [ホームページ]

講師 安達嘉信

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